鍼灸師として開業したいあなたへ──12年続けて見えてきた「リアルな現場の話」
- コラム

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鍼灸師として開業したいあなたへ──12年続けて見えてきた「リアルな現場の話」
こんにちは。
私は大分出身、香川の専門学校を卒業し、高知で修行した後、縁もゆかりもなかった福岡・美野島で鍼灸院を開業しました。
この記事では、開業前に知っておいてほしいこと、実際にやってきたこと、リアルな体験談をすべてお伝えします。
1. 開業場所選びは最重要。私は“直感”だった
事前調査もせず、福岡・美野島というエリアを選びました。
結果的に商店街も近く、独身女性が多く、鍼灸へのニーズが高いエリアだったのはラッキーでしたが、これは結果論。
これから開業される方は、ぜひ「地域性」「ターゲット層との相性」などをしっかり分析して決めてください!
2. 古民家・家賃9万円の自宅兼治療院からスタート
築40年以上の路地裏物件、自宅兼治療院。
家賃や光熱費などの固定費を最小限にするためです。
今の時代、SNSで見つけて来てくれる患者さんがほとんど。
“隠れ家”感がむしろウリになることもあるので、**立地よりも「どう見つけてもらうか」**が重要です。
3. 開業しても、最初は本当に誰も来ない

開業当初のものです
初月の来院数はたったの6人。
電話が鳴らなすぎて、自分でかけてみたことも(笑)
生活費を稼ぐために、夜はカラオケ店でバイトしてました。
でも、借金をせず、最小コストで始めたことが精神的に楽だったと今は思います。
4. 女性専用治療院という選択肢
私の院は現在、約7割が女性患者さん。
女性専用にすることで、
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婦人科系にも対応できそうに見える
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男性が苦手な方でも来やすい
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施術者である自分自身の安心・安全
というメリットがありました。
5. 集客は“時代”によって変わる
昔は、ブログを毎日更新し、ポスティング1万枚でも1人来るかどうか…。
でも地域活動や顔出しで「誰がやってるか」を知ってもらうことは今でも大事。
そして今は断然、**InstagramやGoogleマップ(MEO)**の時代です!
学生のうちからアカウントを作って、コツコツ発信を続けることが強みになります。
南風鍼灸院SNSアカウント
6. 安売りも押し売りもしない
「集客=安くすれば来る」と思われがちですが、それでは自分がしんどくなります。
大切なのは価値で選ばれること。
私は「痛くない散鍼」「丁寧な対応」「あなたにお願いしたい」と言ってもらえる関係づくりを意識してきました。
7. あなたにしかない武器を大切に
どんな人にも、きっと“自分にしかできないこと”があるはず。
それは、技術でも、人柄でも、空気感でも。
私は、自分が「不器用」であることを逆に活かして、練習量でカバーしてきました。
派手じゃなくていい。地道にコツコツで大丈夫。
8. 成功するまで、やめなければ失敗じゃない
開業は「始まり」であって、「ゴール」ではありません。
花を咲かせたいなら、毎日水をやり、手入れを続けること。
信頼という名の花が、きっと咲く時が来ます。
【最後に】
これから鍼灸師として開業したいと考えている皆さんへ。
成功する人としない人の違いは、
「成功するまでやめなかったかどうか」だけです。
焦らず、腐らず、地道にコツコツ。
私の経験が、少しでもあなたの力になれば幸いです