鍼・灸とは
鍼について
当院は、経絡治療(けいらくちりょう)と呼ばれる施術形態で鍼灸施術を行っています。
東洋医学では古来より、体中に気が巡っていると考えられてきました。その気の流れ道を経絡(けいらく)と呼び、外界との気の交流を行うところを経穴(けいけつ)と呼んでいます。この経絡を流れる気が乱れると病が生じてしまいます。
東洋医学では、こういった気の乱れを脈診、腹診、問診といった独特な診察法を用いて、現在の体の状態を全体的・総合的に判断して施術方針をたてます。
経絡治療は、このような東洋医学的な診察で施術方針をたて、気の乱れが生じている経絡を鍼やお灸を使って整えることにより、人間が本来持っている自然治癒力を向上させて病気や心身の不調をよくする鍼灸施術です。局所施術ではなく全身的な根本施術なので、症状の改善をはじめ、体質改善や病気の予防を図ることができます。
問診
病気(痛み)の場所や性状、原因、発症時期などを聞きます。また、睡眠・食欲・二便・生理(女性の場合)の調子を聞くことによって、現在の体の状態や気の乱れを知ることができます。
脈診
六部定位脈診で行い、施術方針を決めるのに非常に重要となってきます。
左右の手首の脈の打ち方や脈の質を診ます。
脈の打ち方や脈の質を診ることによって、現在の体の状態や気の乱れを知ることができます。
腹診
おなかの表面のざらつき、硬さ、温度、違和感の有無を診ることによって、現在の体の状態や気の乱れを知ることができます。
脈診と腹診の見立ては必ず一致します。
灸について
灸は、一定の方式に従い、艾(もぐさ)を燃焼、またはそれに代わる物質を用いて、身体の表面の一定部位に温熱的刺激を与え、それによって起こる効果的な生体反応を利用して体の変調を矯正し、疾病の予防または施術する施術です。
灸は、鍼と同じく古代の中国で発祥し、日本に伝来したものですが、灸を用いた施術は、中国よりもむしろ日本で盛んに行なわれるようになりました。灸術の大きな特徴は、「艾」という特別な植物が用いられるということです。
艾は、主としてヨモギの葉の裏側に付いている「毛茸」(もうじょう)と「腺毛」(せんもう)という部分を材料として作られています。
中国の古代の人々は、経験の蓄積によって、このような特定の植物の特定の部分(ヨモギの葉の毛茸と腺毛)が、人間の皮膚と組織に対して適度で有効な温熱刺激を与えることに適することを知っていたのです。
艾が古代から現代まで変わらずに灸の施術に使われ続けていることから、艾は灸の施術における核心であり、それは古代の人々の叡智の賜物であると言えるでしょう。そして、このような艾を用いた灸の施術は、鍼とはまた違った意味で極めて特徴的な施術法であると言えます。
特に当院で灸を行う症例として鼻づまり、逆子、安産の灸、食あたりの灸、不妊症の灸、薄毛、膝関節症。この他にも灸を用いる場合はあります。
松尾芭蕉が足三里にお灸を据えられない者とは旅をするなと言ったくらい昔から有効性が考えられていました。
当院では継続してお灸を据えるのをオススメするので、場合によってはお灸セットをご購入して頂く場合もあります。
お灸の基本として女性は右側から、男性は左側から行いましょう。また、当院では7壮か15壮を推奨しています。