肩・首まわりの痛みやトラブルに対する鍼灸施術
肩こりの原因
肩こりは、根本的に原因を追求することが必要で、陰病は精神的ストレスや更年期疾患など、内因によるものが原因となります。陽病は過度な飲食労倦や風邪(ふうじゃ)など、外因によるものが原因となります。
東洋医学的に肩肺部は肺金の支配となり、精神的ストレスなどではより左側の肩上部に凝りを訴える場合もありますが、深部は張っておらず表面が凝っています。
肝木の変動では、筋の緊張や硬結、筋張った凝りがあり、より右側の肩上部が中心で頚肩部がこわばり、眩暈やこめかみの痛みや引きつる痛みも伴ったりします。
腎水の変動は、背骨を中心とした後頚部から肩肺部にかけての凝りで、冷えのぼせが原因の場合が多く、足湯などで下半身を温めるのが必要となります。
肩の鍼灸施術方法
施術としては、脈診、腹診をしてから本治法で身体のバランスを整えます。
標治法は頚肩部を全体的に補的・瀉的散鍼を適宜身体の状態に合わせて行います。
首の凝りが酷すぎて手先が痺れる場合も多く、そのような時は頚部の凝りを取ったり、手先に行く神経がいっぱい通る鎖骨上(缺盆穴)を丁寧に凝りを緩めていきます。
肩こりの施術
肩を中心とした肩背部は多気少血なので、深鍼はほとんどせずに気血の巡りをよくする目的で補的皮膚鍼を行います。また、缺盆穴は手に行く神経も通る場所で肩こり施術で重要となってきます。遠隔として有効なのは手三里穴で、ここはご自分でも押すこともできてセルフケアとしても有効です。
肩こりの施術のポイント
- 手三里穴の処理
- 缺盆穴の処理
- 眼精疲労があれぱ三間穴
五十肩・四十肩の施術
原因としては更年期のホルモン分泌障害や、横向きに寝て下に敷いてる方が圧迫されて起こります。五十肩・四十肩は本来圧痛はあまりなく肩関節自体に変性はないので、患部への手技としては外虚内実で鍼を少し入れてゆっくり動かし、表面で止めて気を流し閉じて抜鍼をするようにします。肩こり同様缺盆穴を周辺の処理が重要です。
五十肩・四十肩の施術のポイント
- 缺盆穴周辺の処理
- 補的中心
- 手の第4.5指間の4指寄りに刺入し、響かせてから動かす
※風呂で温めて、揉んだりすると炎症を悪化させるので注意。
※横向きで寝ない。
むちうち症
むちうち症とは交通事故を中心とする不慮の事故によるもので、事故の衝撃による一時的な頚椎移動における頚筋・靭帯・神経・血管などその周辺組織の障害が重視されるものが多いです。
障害のある頚椎部を中心とした頚肩部のコリ、痛みもあります。
むちうち症の施術のポイント
- 仙腸関節調整
- 小腸経の反応点の処理
- 後渓穴の処理
肩・首まわりのご自宅でできるセルフケア
自分で出来るオススメのセルフケアは肘から指3本分のあたりにある手三里穴をほぐすのは有効です。手三里は頚肩部に凝りがある方では反応が出やすいツボとなっております。
腎水タイプはアキレス腱を緩めたり、下半身を温めるのが有効です。
残り3タイプは目の疲れを伴うことが多く、眼精疲労に有効な手の人指し指の骨の際にある三間穴を使います。こちらの三間穴も自分で揉んでもらったり、パイオネックス(置き鍼)を貼るのも有効になります。
肩・首まわりの鍼灸施術の注意点
肩や首まわりの施術は、施術効果が現れるまでに必要な期間や通院回数が、お客様の症例によって個人差があります。
特に肩こりは原因はいくつにも重なり、症状が慢性化しているケースが多くみられます。筋肉の疲労も溜まりがちになり、短期間で改善するとはいいきれません。施術を繰り返すことで症状が少しずつ改善すると、施術効果を実感できることでしょう。
症状が改善した後に今と同じ生活を続けていると、いつかまた肩こりや首まわりの不調が再発する可能性があります。
良好な状態をキープするためには、定期的な施術を通じた「予防」をめざしましょう。
肩・首まわりのお悩みで鍼灸施術をご検討中の方へ
肩・首のお悩みはデスクワークが多い現代ではかなり多い症状です。肩・首のコリが激しいと緊張性の頭痛も伴ってきます。特に首に関しては脳に行く神経や血管もいっぱい滞ってます。首の緊張で脳への血流が悪くなると色々な病気のリスクが上がってきます。そのためにも、肩や首を柔らかくしておくのは非常に重要となります。
当院でも痛み等がなくてもメンテナンス施術をオススメしております。
施術方法としては、患部への瀉的散鍼はもちろんですが仙腸関節の調整を行い頚椎の狂いを整いやすくします。
「私は肩こりが無いから大丈夫」と言われる方がいますが、そんな方に限って肩がかなり硬く麻痺してる場合があります。安易に考えて放置するのは止めましょう。