東洋医学に基づく健康促進【食事療法】とおすすめ食材を徹底解説!
- コラム

✔食生活の乱れが気になる
✔鍼治療に加えて身体のケアがしたい
このコラムはこのような悩みのある方に向けて書いています。
こんにちは。
南風鍼灸院 院長の岩永です。
今回は、私の専門である鍼治療を代表とする「東洋医学」の観点から、食事療法による健康を維持・促進するアプローチについて解説していきます。当院では、痛みやダウンタイムが少ない「散鍼」という特殊な手技を採用しており、月間延べ200名を超える方に施術しています。
この鍼治療は、中国古来より用いられてきた東洋医学のひとつで、多くの効果・効能が期待できます。
ただし、鍼灸院での施術が必要になるため、毎日のケアが困難です。
そこで本コラムでは、東洋医学に基づく【食事療法】を日常生活に取り入れることにより、健康の促進につなげて頂ければとの思いで、わかりやすく解説していきます。
「普段の食生活が気になる」という方は、ぜひ最後まで読んでください。
【筆者プロフィール】
院長 岩永 将弥 取得免許:国家資格 はり師免許 / きゅう師免許
役職:福岡県 鍼灸マッサージ師会理事 等
5年間、高知県で鍼灸師として修行。2013年3月 福岡市で南風(まぜ)鍼灸院を開院。
開院より11年、毎月 200名の方に施術頂ける鍼灸院になりました!
「来た時よりも笑顔に」をテーマに、来院された方が心身ともに元気になって頂きたいとの強い思いで施術しています。
目次
東洋医学の基本概念
東洋医学は、身体のバランスや気の流れ(経絡)を整えることにより、様々な症状の治療・改善を目的にしています。
東洋医学の代表的な治療法には、以下が挙げられます。
- 鍼
- 灸
- 漢方薬
- 気功 など
これらの治療法は、「陰陽五行説」の理論によって体系立てて説明できます。
また、この陰陽五行説に基づいた食事を取り入れることで、日常生活から健康を維持・促進する重要な手段となります。
続いて、陰陽五行説の理論について詳しく解説していきます。
中国古来の医学に基づいているため漢字が多くなりますが、できる限りわかりやすく説明します。
陰陽五行説について
陰陽五行説とは、古代中国で生まれた自然哲学の思想で、漢方医学の基礎となる重要な理論です。
この理論は「陰陽説」と「五行説」の2つの要素から成り立っています。
陰陽説とは!?
陰陽説は、万物が相反する2つの「陰」と「陽」の性質から成り立ちを説きます。
- 陽:積極的で動的な性質
例)男性、昼、暑 - 陰:消極的で静的な性質
例)女性、夜、寒
これら陰と陽は対立しながらも相互に依存し、常に変化し合うとされます。
陰陽の原理を人体に置き換えると以下のように分類されます。
【陰陽と体の部位の関係】
- 背中は陽・腹部は陰
- 体の表面は陽・内部は陰
- 上半身は陽・下半身は陰
【陰陽と生理機能の関係】
- 気は陽・血や体液は陰
- 活動は陽・休息は陰
健康とは、これら陰陽のバランスが取れた状態であり、病気はそのバランスが崩れた状態と考えられます。
時間的な行動面で言い換えると、昼(陽)は活動的に、夜(陰)は休息をとるのが理想であると考えます。
また季節的な面で言い換えると、春夏(陽)は活動的になり、秋冬(陰)は静的になりやすい傾向を説いています。
【陰陽に基づく食材の選択】
陰陽の性質を持つ食材があり、これらをバランスよく選ぶことで体質や体調を整えられます。
- 陰性の食品
体を冷やす効果があり、熱を持つ体質や暑い季節に向いています。
例)スイカ、きゅうり、豆腐 など - 陽性の食品
体を温める効果があり、寒い季節や冷え性の人に向いています
例)羊肉、生姜、ニンニク な
体質に応じて、陰性と陽性の食材をうまく組み合わせて、陰陽のバランスを保つことが健康維持に重要です。
五行説とは!?
五行説とは、万物が「木・火・土・金・水」の5つの要素から成り立っているという考え方です。
五行の特徴
- 木:成長、伸長、柔軟性
- 火:熱、上昇
- 土:生成、受容
- 金:収斂、重厚
- 水:潤い、冷却、下降
これらの要素は以下のような相互作用により、バランスを保っているとされます。
- 相生(そうせい):木が燃えて火を生じる、火が燃え尽きて土を生じる など
- 相剋(そうこく):木は土の養分を奪う、土は水を吸収する など
この基本的な五行説の考え方に基づき、人体と食材の関係をまとめました。
【五行説の人体と食材】
五行説を人体に適用すると、五臓六腑と関連付け、それぞれに対応する食材があります。
- 木:肝と胆 (ウナギ、セロリ、小松菜)
- 火:心と小腸 (卵、小豆、スイカ)
- 土:脾と胃 (かぼちゃ、トウモロコシ、ミカン)
- 金:肺と大腸 (大根、玉ねぎ、リンゴ)
- 水:腎と膀胱 (昆布、わかめ、黒豆)
これらの食材を適切に取り入れることで、各臓器の機能を正常に保つことができると考えられています。
陰陽五行説に基づく食材
健康を維持・促進するために、陰陽五行説に基づいた食材として以下は特におすすめです。
おすすめの食材
- 緑黄色野菜
気を補い、デトックス効果を持つ食材
例)ほうれん草、ケール、ブロッコリー など - 根菜類
体を温め、消化機能を高める食材
例)にんじん、大根、さつまいも など - 発酵食品
腸内環境を整え、気の流れをスムーズにする効果が期待できます
例)味噌、納豆、キムチなど - 生姜
消化を助け、体を温める作用があり、冷え性の改善に役立ちます。
季節に合わせたおすすめ食材
五行説に基づいた食材は、季節ごとに推奨されるものが異なります。
季節に合った食材を選ぶことで、体内のバランスが整い、季節の変化に適応しやすくなります。
- 春:デトックスを促すために、緑の葉野菜や酸味のある食材
例)ほうれん草、レモンなど - 夏:体を冷やす食材
例)きゅうり、トマト、スイカなど - 秋:肺を潤すため、白い色の食材
例)梨、大根、百合根など - 冬:腎を補うために、体を温める食材
例)生姜、にんにく、羊肉など
避けたほうがよいとされる食材
一方で、以下の食材は体内のバランスを崩しやすいため、控えるべきとされています。
- 加工食品
栄養バランスが偏りがちで、気の流れを乱すと考えられます。
例)インスタント食品やファストフードなど - 過度に冷たい食べ物や飲み物
冷たい食べ物や飲み物は、特に冷え性の人に悪影響を与えるため、摂取を控えることを推奨しています。 - 甘いものや脂っこい食べ物
過剰な糖分や脂肪は、気の滞りを引き起こし、消化器官に負担をかけるため、適度に控えることがおすすめです。
これらの食材を摂り過ぎると、体調不良の原因になるため注意が必要です。
まとめ:東洋医学に基づく食事療法と鍼灸治療
東洋医学に基づく食事療法は、陰陽五行説の理論によって体系立てられており、体内のエネルギーである「気・血・水」のバランスを整えることを目的としています。
具体的な食材を知ると、テレビや西洋医学の研究でおすすめされる食材が多い印象を受けたのではないでしょうか。
観念的に感じる部分が多い東洋医学ですが、本コラムを通して中国古来より用いられてきた経験と知恵の魅力を感じていただければ幸いです。
当院では、東洋医学の知恵を用いた「鍼灸治療」を提供しており、肩こり・腰痛・不眠症や眼精疲労、美容に至るまで幅広い症状や悩みを解決するアプローチができます。
特に、痛みやダウンタイムが少ない「散鍼」と呼ばれる特殊な手技を採用しており、鍼治療が初めての方にも多くの喜びの声をいただいています。
より健康を維持・促進するために、東洋医学に基づく食事療法をぜひ取り入れてみてください。
もっと詳しく知りたいという方は、ぜひ施術の際にお尋ねいただければ幸いです。
南風鍼灸院 院長 岩永将弥