椎間板ヘルニアを抱えるあなたへ – 鍼灸治療の力を徹底解説
- コラム
こんにちは
南風鍼灸院 院長の岩永将弥です。
「腰痛で歩くのがつらい」
その症状。もしかしたら「頸椎・腰椎椎間板ヘルニア」かもしれません。
「ヘルニア」とは、医学用語で、「何かが隙間から飛び出した状態」を意味します。
つまり、「頸椎・腰椎椎間板ヘルニア」とは、頸椎または腰椎の椎間板の中身が飛び出して、神経を圧迫することによって痛みを伴う症状を指します。
椎間板ヘルニアの症状が悪化すると、歩行時や睡眠時、笑ったりするだけでも痛みを伴い、生活の質を大きく下げてしまう要因となります。
人口の約1%が罹患し、人口10万人当たり約50人が手術を受けているという推計報告もあり、多くの日本人が悩む腰痛のひとつです。
椎間板ヘルニアの治療法には複数の選択肢がありますが、中でも薬や手術による副作用がない「鍼灸治療」が最近では多くの方から注目を集めるようになりました。
この記事では、
- 椎間板ヘルニアの症状と原因
- 椎間板ヘルニアの治療法
- 椎間板ヘルニアに効果のある鍼灸治療とは?
について、詳しく解説していきます。
「椎間板ヘルニアの痛みが解消されない」とお悩みの方はぜひ最後まで読んでください。
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【筆者プロフィール】
院長 岩永 将弥 取得免許:国家資格 はり師免許 / きゅう師免許
役職:福岡県 鍼灸マッサージ師会理事 等
5年間、高知県で鍼灸師として修行。2013年3月 福岡市で南風(まぜ)鍼灸院を開院。
開院より10年、毎月 200名の方に施術頂ける鍼灸院になりました!
「来た時よりも笑顔に」をテーマに、来院された方が心身ともに元気になって頂きたいとの強い思いで施術しています。
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目次
椎間板ヘルニアの症状と原因
椎間板ヘルニアの多くは、頸椎(けいつい)または腰椎(ようつい)に見られ、ヘルニアが神経を圧迫することで、腰背部(こし)、臀部(おしり)、下肢(あし)などへの激しい痛みやしびれを引き起こします。
椎間板ヘルニアになる主な原因には以下が挙げられます。
◆椎間板の老化
歳を重ねるにつれて、椎間板の水分含有量が減少し始めることにより、椎間板が乾燥し硬化してしまいます。
椎間板が硬くなると椎間板のクッション機能が失われて変形が始まり、椎間板ヘルニアを引き起こす要因となります。
◆腰回りへの過度なストレス
重い物を持ち上げる際の悪い姿勢により、腰回りに過度なストレスがかかると、椎間板の中にある髄核が外に飛び出してヘルニアを引き起こす可能性があります。
また、体重の増加により、椎間板へのストレスが増えることで、椎間板ヘルニアのリスクが高まります。
普段の食生活を見直したり、適度な運動を行うことで椎間板ヘルニアを引き起こすリスクを低減させることが大切です。
◆身体のバランスの乱れ
長時間の座位や同じ姿勢での作業の継続、不適切な姿勢などが、脊椎や椎間板への負荷を与えることにより、ヘルニアを引き起こす可能性があります。
正しい姿勢を意識し、長時間同じ姿勢にならないように定期的に立ち上がったり、ストレッチをすることにより予防することが重要です。
椎間板ヘルニアが疑われる場合は、早めに専門の医療機関を受診して、ヘルニアの部位と原因を明確にして治療を行ってください。
椎間板ヘルニアの治療法
一般的な椎間板ヘルニアの治療法は、
- 保存的治療
- 手術治療
の2つに分けられます。
保存的治療
ほとんどのヘルニアは、保存的治療の「薬物療法」と「物理療法」により治療を行います。
・薬物療法
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、筋弛緩薬、神経痛薬、ステロイド注射などを用いて、痛みを和らげていきます。
・物理療法
痛みが落ち着いた後に、エクササイズやストレッチを行って、体の動きを改善し、筋肉のバランスと柔軟性を向上させていきます。
筋肉が増えたり、柔らかくなることで、ヘルニアの局部周辺の負担を軽減することができ、痛みの軽減や再発を防ぐことが期待できます。
手術治療
保存的治療で改善しない重度のヘルニアや、神経機能に重大な影響を及ぼす場合には、手術による治療が必要です。
一般的には神経へのストレスを取り除くために、ヘルニアとなった椎間板組織の一部を除去します。
しかし、これらの治療法だけでは痛みやしびれが残ったり、薬や手術による副作用が心配という方も多いと思います。
そこで、いま注目を集めている治療法が、「鍼灸治療」です。
次に、椎間板ヘルニアに効果のある鍼灸治療について、詳しく解説していきます。
椎間板ヘルニアに効果のある鍼灸治療とは?
鍼灸治療とは、東洋医学のひとつで、鍼とお灸を用いて特定のツボを刺激することで、体の気の流れを整え、自己治癒力を高める効果が期待できます。
経穴(けいけつ)と呼ばれるツボに、鍼やお灸を施すことによって、筋肉の緊張を緩和したり、血行を促進して痛みや炎症を緩和していきます。
また、鍼灸治療は西洋医学にみられる薬や手術などの「副作用の心配がない」のも多くの方に選ばれる理由のひとつです。
当院では、一般的な鍼治療(刺鍼)と異なり、痛みやダウンタイム(赤みや内出血)がない散鍼(さんしん)と呼ばれる特殊な鍼治療を行います。
散鍼(さんしん)は、片手に鍼を持ち、もう片方の手でマッサージをしながら施術を行うため、鍼を刺される痛みや違和感はほとんど感じないのが特徴です。
私が高知県の師匠の下で5年間の修業を経て体得した技法で、日本全国でも散鍼の施術を受けられる鍼灸院は限られています。
鍼灸治療の効果とは
鍼灸治療で期待される主な効果は以下が挙げられます。
◆痛みの軽減
鍼を用いてツボに刺激を与えることで、神経系に働きかけ、痛みを感じる神経の伝達を軽減させます。
これにより、局部の痛みやしびれを緩和していきます。
◆筋肉の緊張緩和
鍼やお灸で筋肉を刺激することにより、その筋肉の緊張を解きほぐします。
緊張した筋肉が緩和されることで、椎間板にかかっていたストレスが軽減され、ヘルニアによる症状を緩和させます。
◆血行促進
特定のツボを刺激することで、血行を促進させ、身体の治癒力を向上させることにより、椎間板ヘルニアの痛みや炎症を緩和していきます。
また、一部のヘルニアは、血流によって流れることで、消失することも期待できます。
鍼灸治療では、これらの効果によって椎間板ヘルニアを治療していくことができ、いま多くの方に注目されています。
鍼灸の施術ポイント
椎間板ヘルニアを含めた腰痛への施術ポイントは、
- アキレス腱
- 仙腸関節
- 臀部の圧痛点
を中心に行います。
これらのポイントについて、詳しく解説していきます。
◆アキレス腱
アキレス腱は、足の裏からふくらはぎにかけての筋肉で、歩くときや走る時の力を足に伝えたり、衝撃を吸収するクッションの重要な役割があります。
長い間立っている仕事や激しい運動により、アキレス腱が硬直すると、クッション性が失われて腰や椎間板にストレスがかかり腰痛や椎間板ヘルニアの原因となります。
このアキレス腱を中心に施術することで筋肉の緊張を緩和してクッション性を高め、腰や椎間板へのストレスを軽減していきます。
また、東洋医学の観点では、アキレス腱は体のエネルギーの流れを整える重要な部分でもあるため、鍼灸治療においても特に重要視されるポイントのひとつです。
◆仙腸関節
仙腸関節とは、骨盤の中にある仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)の間にある関節のことです。
これらの関節が緊張することにより、骨盤のバランスが崩れて腰周りにストレスがかかり、腰痛や椎間板ヘルニアを悪化させる要因になります。
鍼灸治療によって、この仙腸関節の緊張を緩和することで骨盤のバランスを整え、椎間板へのストレスを軽減していきます。
◆臀部の圧痛点
臀部(でんぶ)は上半身を支える大切な部位で、大きな筋肉群が集まっています。
長時間の座り姿勢や立ち仕事を続けると、臀部の筋肉が硬くなると、体のバランスが崩れて腰や椎間板に強いストレスがかかり、痛みや炎症を引き起こします。
鍼灸治療では、臀部の圧痛点と呼ばれる部位に、直接的に施術を行うことで、筋肉の緊張を解きほぐし、身体のバランスを整えていきます。
当院では、これらのポイントを中心に、身体の状態に合わせて施術を行うことで、椎間板ヘルニアの症状を和らげて治療していきます。
個々の症状によって施術する期間や効果は異なりますが、2週間に1度のペースで施術を続けて頂ければ、少しずつ症状が緩和されていることを実感頂けると思います。
鍼灸の力で痛みのない生活を目指して!
椎間板ヘルニアは、日常の生活ができなくなるほどの激しい痛みを伴い、多くの日本人を苦しめているのが現状です。
椎間板ヘルニアの治療では、西洋医学の「薬や手術による治療の副作用が心配な方」や「症状が残って改善されていない方」もいるかと思います。
そんな方に試して頂きたいのが、「東洋医学の鍼灸治療」です。
当院では、痛みやダウンタイムがほとんどない「散鍼」による特別な技法を用いるため、初めて鍼灸治療を試されるという方には特におすすめです。
個々の患者さんの体調や体質に合わせて施術を行い、「来た時よりも元気になったよ」と言っていただけるように全力で対応させて頂いてます。
「椎間板ヘルニアで痛みに悩んでいる」という方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
南風鍼灸院 院長 岩永将弥