【春の花粉症に備える】鍼灸治療によるアレルギー症状の改善法
- コラム

- 鼻がムズムズする
- くしゃみが止まらない
- 目がかゆい
この季節、多くの日本人を悩ませているのが『花粉症』です。
現在、花粉症にかかったことのある人は、日本人の42.6%とい統計データがあり、国民の半数近くの人が悩んでいる現代病のひとつです※1。
毎年、1月下旬ごろからスギ花粉が飛散を始め、ヒノキ花粉を含めると5月の連休明け頃まで症状が出ている人が多くいます。
花粉症対策として、市販薬や医者の処方薬により、症状を緩和する方法が一般的ですが、症状を完治させるような特効薬は今のところありません。
そんな花粉症の治療に、最近では『鍼灸治療』が注目されるようになりました。
このコラムでは、
- 春の花粉症とは?
- 花粉症の治療法
- 花粉症に治療に効果がある鍼灸治療
について、詳しく解説していきます。
「花粉症の辛さを少しでも和らげたい」とお悩みの方は、ぜひ最後まで読んでください。
【筆者プロフィール】
院長 岩永 将弥 取得免許:国家資格 はり師免許 / きゅう師免許
役職:福岡県 鍼灸マッサージ師会理事 等
5年間、高知県で鍼灸師として修行。2013年3月 福岡市で南風(まぜ)鍼灸院を開院。
開院より10年、毎月 200名の方に施術頂ける鍼灸院になりました!
「来た時よりも笑顔に」をテーマに、来院された方が心身ともに元気になって頂きたいとの強い思いで施術しています。
目次
春の花粉症とは?
花粉症は、厳密にいえば病気ではなく、アレルギー症状のひとつです。
人体の免疫反応が花粉に異常反応して、様々な症状が現れます。
花粉症の主な症状
- くしゃみ
- 鼻水
- 鼻づまり
- 目のかゆみや赤み
- 肌の発疹
- 倦怠感 など
これらの症状によって、外出の頻度が下がって体力低下や体調不良を引き起こす原因になります。
花粉症の原因となる植物は地域によって異なりますが、スギ花粉とヒノキ花粉が特に有名です。
主な原因物質は、花粉ですが症状を悪化させる要因は他にもあります。
- 睡眠不足
免疫やホルモンバランスが乱れ、症状を悪化させる可能性がある - 偏食やアルコールの摂りすぎ
脂質の摂りすぎや体を冷やすなどは症状を悪化させるリスクがある - ストレス過剰
自律神経やホルモンバランスの乱れにより、症状を悪化させる原因となりうる - 運動不足
運動不足による体力の低下は免疫のバランスを崩す可能性がある
花粉症は生活の質に大きく影響を及ぼすため、症状の管理や軽減がとても重要です。
1月中旬の症状が出始める前に、専門の医師の診察を受けることをおすすめします。
春の花粉症の治療法
花粉症の治療法は、一般的に西洋医学が主流です。それぞれの特徴についてまとめました。
花粉症の治療法
- 抗ヒスタミン薬(飲み薬)
メリット: 症状の発現を抑制し、即効性がある。一般的に入手しやすく、使用が簡単
デメリット: 副作用として眠気が生じることがある。症状の原因を根本的に治療するわけではな - 目薬(点眼薬)
メリット: 目のかゆみや充血に迅速に対処する。症状が限局している場合に効果的
デメリット: 目の症状以外には効果がない - 点鼻薬
メリット: 鼻づまりや鼻水に効果的で速効性がある。日常生活に影響を与えにくい
デメリット: 長期間の使用は依存性や副作用を引き起こす可能性がある - ステロイド薬(点鼻や内服)
メリット: 強力な抗炎症作用があり、重度の症状に効果的
デメリット: 長期使用による副作用(免疫抑制など)が懸念される - 免疫療法(アレルゲン免疫療法)
メリット: 長期的な効果が期待でき、症状の根本的な原因にアプローチ
デメリット: 治療に数年を要し、初期の数ヶ月間は頻繁に医師の診察が必要 - 花粉を体内に取り入れない環境管理(マスク・めがね着用)
メリット: 薬に頼らずに症状を和らげることが可能。副作用の心配がない
デメリット: 生活習慣の変更や環境管理だけでは症状を完治させることは難しい
しかし、薬の副作用や症状軽減の実感が少ないとお悩みの方もいるのではないでしょうか。
そんな方に、一度試して頂きたいのが、東洋医学の『鍼灸治療』です。
次に、『花粉症に効果が期待できる鍼灸治療』について、詳しく解説していきます。
花粉症に効果が期待できる鍼灸治療
鍼灸治療とは、体内の気の流れ(経絡)を整えることにより、様々な疾患を治療することを目的にしています。
特に、花粉症は免疫機能が過敏に反応して、目のかゆみや炎症などのアレルギー反応を引き起こします。
このアレルギー反応を抑制・緩和するために、特定のツボへ鍼灸を用いて施術していきます。
花粉症に対する鍼灸治療の効果
- 免疫機能の調節
- アレルギー症状の緩和
- 炎症の軽減
- リラクゼーション効果
- 身体全体の体質改善 など
これらの効果によって、花粉症の症状を緩和する効果が期待できます。
ただし、これらの効果は個人差があるため、複数回の施術が必要になる方もいるため、よく鍼灸師と症状を相談しながら治療を進めてください。
花粉症に効果のあるツボ
- 上星(じょうせい)
位置:目尻の端、眉毛の端の下約1センチ
効果:目のかゆみや充血を和らげる - 攅竹(さんちく)
位置:眉毛の内側の端、眉間の少し上
効果:目の疲れ、頭痛、鼻詰まりの緩和 - 鼻通(びつう)
位置:鼻の両側、鼻翼の付け根
効果:鼻詰まりや鼻水の緩和 - 迎香(げいこう)
位置:鼻の両側、目尻から直線に下った位置
効果:鼻の不快感や頭痛の軽減 - 合谷(ごうこく)
位置:手の甲、親指と人差し指の骨が合流する点のくぼみ
効果:全身の緊張緩和、ストレス軽減
これらのツボは、鍼灸治療や指圧で刺激することで、花粉症の症状緩和に役立つとされています。
ただし、効果には個人差があるため、体質や症状に合わせた適切な施術が必要になります。
日常生活での花粉症対策
鍼灸治療による体質改善に加えて、日常生活での花粉症対策は必須です。
特に以下の点に注意しておくことがとても重要です。
具体的な花粉症対策
- 室内環境の整備
定期的な清掃や空気清浄機の設置により室内の花粉を減らす - 適切な服装
花粉が付着しにくい服装や専用メガネやマスクを着用する - 外出時の対策
外出後は室外で花粉を払い落し、衣服をすぐに洗濯する・顔や手を洗う - 食生活の見直し
アレルギー反応を和らげる食品を摂取する
例)ヨーグルト、キノコ、ルイボスティなどがおすすめ - ストレス管理
ストレスを減らすことで、免疫系のバランスを保ち、アレルギー反応を抑える
これらの対策は症状を軽減し、快適な生活を送るために役立ちます。
つらい花粉症に対する鍼灸の可能性
毎年、1月下旬ごろから、つらい花粉症に悩まれている方が多くいらっしゃいます。
花粉症には特効薬がないため、西洋医学を中心とした抗ヒスタミン薬や目薬などを処方されるのが一般的です。
しかし、これらの治療法は薬の副作用や症状が軽減されづらいといった方もいらっしゃいます。
そんな方にぜひ試して頂きたいのが、東洋医学の『鍼灸治療』です。
当院では、一般的な鍼治療(刺鍼)とは異なり、『散鍼(さんしん)』と呼ばれる特殊な手技を採用しています。
散鍼は、片手に鍼を持ち、もう片方の手でマッサージのように施術を行うため、痛みやダウンタイムがほとんどないのが特徴です。
鍼治療が初めてという方にも安心して施術を受けて頂けます。
「花粉症に悩んでいて新しい治療を試したい」という方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
「来た時よりも元気になったよ」と言っていただけるように誠心誠意の対応をさせて頂きます。
南風鍼灸院 院長 岩永将弥