安産のお灸とは、おなかの中の赤ちゃんを元気に成長させて安産を導くお灸です。また、お母さんの体調を整え、妊娠中の心身の状態を安定させることができます。
妊娠初期は、お母さんの体調を整える鍼治療を行います。安定期(5ケ月目:16週以降)に入ると三陰交(さんいんこう)と呼ばれる経穴にお灸をします。
受診時に経穴の位置とお灸のすえ方を指導しますので、ご自宅でも毎日続けることができます。
足の小指にある至陰(しいん)と呼ばれる経穴にお灸をすえます。逆子を戻すのに効果がある経穴です。
安産のお灸で用いる三陰交の経穴も一緒にお灸をすえます。また、より効果を高めるために鍼治療も併用して行います。
※逆子と診断されたら、出来るだけ早いうちのお灸をお勧めします。
妊娠期に母親の精神状態が大変不安定になります。特に、第一期には腹が立ちやすく、二期、三期には躁鬱になりやすいです。四期には憂い感が出て、理由もないのに悲しくなったりします。五期には、恐れおののきが出ます。胎児への不安や、出産時の恐怖感などがあるのでしょう。
このような妊娠期の不安定状態を克服するためには、妊娠時の正しい理解が最も大切ですが、それと同時に、精神を安定させるには呼吸法が最も有効です。
<丹田呼吸法>
まず、おヘソと腰を結んだ線をイメージし、その線に横線を足してお腹の中に「田」という感じをイメージします。
行きを吐く時は、その「田」がグッと上へ上がるように意識し、反対に息を吸う時は「田」が下へ下がるように意識します。
ポイントは、息を吐くときは出来るだけ細く長く吐くこと。吸うときはあまり意識せず、自然に入ってくる分だけを軽く勢いよく吸うこと。吸った後は少し息を止めておき、その後ゆっくりと吐く。(吐く息→吸う息→止める)の順にします。
甘い物や水分を摂り過ぎで陰性になり母体が緩み、胎児が固定できず頭が軽くなり動くので逆子になります。
車の振動でもなりますので、できるだけ乗らないようにしましょう。
逆子を治すには足の小指(至陰穴)にお灸をします。十五壮すると二~三日で治ります。臍の緒が胎児の首に二重、三重で巻き付いている場合には治りません(帝王切開で産むことになります)。
※安産の灸、逆子の灸は右足から先に施灸する。